製造部の伊藤敦です。
退屈な話かもしれませんが...
私は、昔に作られた物、特に衣料品に付いているタグを見るのが好きで、タグを見るとブランド名やサイズ、製造年、企業のポリシーなど記されていますが、企業の歴史や、その物が作られた年の時代背景など考えたり、想像するのが好きです。
写真のタグは、イギリスのアウトドア衣料メーカー「バブアー」のジャケットに付いているタグです。
ブランド名の上にある3つの紋章は、ロイヤルワラントといって、イギリス王室が特定の企業や個人に与える、商品やサービスを王室に供給する権利のことで、簡単に言うと「王室御用達」の称号です。
1974年にエディンバラ公フィリップ殿下(エリザベス女王の夫)から最初のロイヤルワラントを授与されました。1982年にエリザベス女王から2つ目を授与され、1987年にチャールズ皇太子(現在のイギリス国王)から3つ目のロイヤルワラントを授与されました。
しかし、このロイヤルワラントも授けることができる者が亡くなった場合、その紋章は無効になり、以降2年以内に紋章の提出を取りやめる必要があるそうです。2021年にエディンバラ公フィリップ殿下が逝去され、2022年のモデルではロイヤルワラントが35年ぶりに3つから2つに変更されました。2022年にエリザベス女王も逝去されたので、さらにロイヤルワラントが減り、2023年以降はチャールズ国王のみとなりました。
このように、タグの表示で、その時代背景が見えてきたり、年代によっての希少性があったり、タグを見て、あれこれ想像しては楽しんでいます。



